ゆに昆布

酢昆布がうまい

<書籍> \999

 この本はタイトルはそのまま本の値段です。各国の翻訳されその国での販売価格が本のタイトルになっているらしく、日本では999円で発売されているから\999。
 はじめてのおフランスな文学だったのですがなかなか刺激的な本でした。筆者が広告業界で務めており、主人公も大手広告店で働く才能あふれる人間。
 お金、セックス、マスコミ、マーケティング、資本主義、ドラッグ、自由、国家……
 人間が生きる上で取り込まれるあらゆるシステムにもがき、楽しみ、苦しみ、笑う。
 章ごとに挟まるとんでも商品のコマーシャルや、主人公の奇抜な思考、行動が読者を楽しませてくれます。
 
 この本でわたしがとても気に入った箇所があったので引用させてもらいます、
 
”いわゆる『ノーマル』な女と一緒にいるときは、努力に努力をかさね、自慢話をし、向上しなければならない。したがって嘘をつかなければならない。つまり男娼をやっているということだ。一方、淫売屋にいるときは、自然体のまま、もう相手を喜ばせようと努力しなくてもいいし、自分をよりよく見せようとする必要もない。その虚構の場所こそが、男が本当の自分になれる、脆く、美しく、壊れやすい場所なんだ。”
 
 本当の恋愛をするのは痛みを伴い、その痛みをうけると脆い自分はすぐに崩れてしまうから、嘘をまとって生きていく。この部分を読んだ時ものすごく感動してしまったのですが、先日友人2人と話をしているときこの話を持ち出してみたんですが全然共感してもらえなかったんですよね。
 う~む。恋愛などしていない童貞が語ったからだろうか……